とある真夏の物語【完】
グイグイと加減なしに引っ張るリュウとカイ。
だんだんヒートアップする2人に私の中のイライラが増してくる。
『離せよ?』
『そっちこそ』
痛い!痛いって!!
そして、ついに私がキレた。
『痛いって言ってんでしょ!?2人とも子どもみたいなことしないの!!』
私が叫んだと同時に2人の手が私から離れた。
『真夏悪い…』
『まなつ…大丈夫か…?』
『謝るくらいならしないでよ!』
ふんっと顔を背けた私の目の前には…
『ま、真夏さま…』
そう言って、目に涙を浮かべる…シュカさんの姿があった。