とある真夏の物語【完】
『春美おばさん、秋子おばさん、冬菜おばさん、お久しぶりです!』
私はそう言うと、ペコッと頭を下げて挨拶をした。
『あらあら、真夏ちゃんは、美夏よりしっかりしてるわね!』
春美おばさんがうふふ、とおしとやかな笑みを浮かべて笑っている。
『まぁ、立ち話もなんだし、はやく入りなよ?みんな揃ってるわよ?』
冬菜おばさんがニコニコ笑いながら、玄関から手招きした。
『もう…春美姉さんったら……ほら真夏、千夏、はやくはいっちゃいなさい。』
お母さんが軽く頬を膨らませながら私たちを促す。