とある真夏の物語【完】
私はそう言って俯く。
少しの間、私たちの間に重たい空気が流れた。
…カイが言ってる黒髪の男が…祥ちゃんなの…?災いって何?
そんな考えが頭をぐるぐると駆け巡る。
『はい!ストップ!!とりあえず、このお話はまた今度ということで。せっかくの舞踏会なんだから楽しみましょう?ね?真夏さま』
そう言って、にっこり笑ってくれたシュカさんに、私の心も幾分か落ち着きを取り戻す。
『…シュカの言うとおりだ。とりあえず、オレも真夏の幼なじみと黒髪の男の接点などを調べてみる、だから、心配するな』
リュウもそう言って笑ってくれる。
『うん…ありがとう』
2人の優しさが素直に嬉しかった。