とある真夏の物語【完】
私が驚きで目を見開いた時、
『…そう、お察しの通り。オレは、ユウの実の兄、名前は…ヨウ。よろしくね、真夏ちゃん』
そう言うと、ヨウは、自嘲的な笑みをこぼした。
その姿になぜだか、胸が痛む。
『…っなんでこんなことを…?』
『なんでかって?そんなの決まってるだろ?オレはただ、楽しいことが大好きなだけ。今頃、あわてふためくリュウの顔が目に浮かぶな』
クスクスと、本当に楽しそうに笑うヨウにゾクリとした寒気を感じた。