とある真夏の物語【完】
…もしかして、カイが言っていた黒髪の男って…
私は、ちらりとヨウの漆黒の髪を見た。
『…さて、真夏ちゃんはどうする?オレの言うことを聞いてくれるなら、君が知りたがっている幼なじみ…祥だったけ?…ソイツのこと教えてあげる、今、どこにいるのかも…ね?』
『…っ』
私は唇を噛み締めた。
祥ちゃんの情報を知りたい気持ちは、もちろんある…けど、ヨウの言うとおりに行動するなんて…。
ギリッと、奥歯を噛み締めて、ヨウを睨み付けてやる私。
『…ふ〜ん?なかなか強情だね、じゃあ、奥の手だしちゃおうかな…?君がオレのいうとおりにしないなら…そうだな、リュウを消す…なんてどう?』
…ドクン
その言葉に私は背筋が凍るのを感じた。