とある真夏の物語【完】


秋奈ちゃんが来ていると聞いてバタバタと早足でリビングに急ぐ千夏。





そんな千夏に促され、私もリビングへと足を踏み出そうとした時だった。





『真夏ちゃん…陽子のところには行ってきた…?』




ふいに、心配そうな秋子おばさんの声が聞こえたのは。





『……お墓参りには行ってきました…』





『そう…真夏ちゃんがよかったらだけど…久しぶりに陽子のところにも顔見せに行ってあげてね!陽子、真夏ちゃんに会えるのすっごく楽しみにしてるから』




秋子おばさんは、そう言って小さく微笑む。






『…はい…』





私は、軽く頷きながら秋子おばさんに笑顔を向けた。









秋子おばさんにまで心配はかけられない…。




そう思ったから。





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