とある真夏の物語【完】
オレは、バタバタと慌ただしく廊下を駆け抜け、シュカのもとへ急いだ。
それにしても…ヨウのヤツ…いつの間に、真夏に目をつけていやがったんだ!?
オレは、ギリッと奥歯を噛み締めた。
その時だ、
『あら?リュウ様…?何されてるんですか??そんなに慌てて…』
ナイスタイミングで洗濯かごを抱えたシュカに遭遇するオレ。
慌てているオレがそんなに珍しいのか目を丸くしてオレを見つめている。
『…シュカ…真夏が……ヨウにさらわれた…』
『…え…』
カタンッ
シュカが持っていた洗濯かごを落とす。
そして、その顔色がだんだん青くなっていくのをオレは見逃さなかった。