とある真夏の物語【完】
そんな私に安堵したように秋子おばさんは、笑っていた。
『あ、そうだ、真夏ちゃん、アイス食べない?確か、おいしいのがあったのよ!持ってくるからリビングに行っててね!』
『…ありがとうございます』
秋子おばさんは、楽しそうな笑みを浮かべながら軽い足取りで台所へと続く廊下を進んでいった。
おばさんに心配かけてたんだな…
そう考えると、少し気分が重くなる。
でも、今の私には、陽子さんにあわせる顔がないのだ。
どうしよう…。
私がそう思ってため息をついた時。
『お、真夏じゃん、久しぶり!』
『冬樹くん…』
ちょうど、リビングから出てきた冬樹くんに声をかけられた。