とある真夏の物語【完】
*消えた幼なじみ
*消えた幼なじみ
―――
ミーン、ミーン
蝉の騒々しい鳴き声が窓の外から聞こえてくる。
『真夏〜?あんた、そろそろ準備しないとおいてくわよ?』
リビングのほうから母親の呼ぶ声が響いてきた。
『…は〜い…』
私は、いかにもダルそうに返事をかえす。
すると、
『お姉ちゃん〜!はやくおばちゃん家行こうよ!千夏もう準備終わったんだよ!』
そう言って、私の部屋に入ってきたのは、小学3年生になる妹の千夏。
いかにも楽しそうな千夏は、満面の笑みを浮かべながら私を見つめていた。
『…はいはい』
そう言いながら私は、軽いため息をこぼしていた。