とある真夏の物語【完】
『うわ…変わらないね…』
私は、キョロキョロと辺りを見回した。
私と冬樹くんは、陽子おばさんの
『よかったらあがっていって?』
という言葉に甘え、今、家におじゃましていた。
『ふふ、あれから5年もたったなんて信じられないわよね…』
陽子おばさんが、アイスティーを運びながら私と冬樹くんに声をかける。
『そうですね…』
冬樹くんは、真剣な表情で呟いた。
『私ね…今でも思うのよ…祥が…帰ってくるんじゃないかって…たぶん、祥のことだから、生きてどこかで楽しく暮らしてくれてるんじゃないかって…』
その時、
『…まなつ…』
私を呼ぶ誰かの声が聞こえた気がした。
今の何…?