とある真夏の物語【完】


『あの…どうかしました?…』



私は、未だに驚いた顔の男の人に声をかける。




『いや、何でもない…そういえば、こちらも名乗っていなかったな…私は、ここ風の国、ルーン国第2王子、リュウ』




…第2王子!?




『…え…第2王子…ですか……あの何かのお芝居か何かですか…?』




『芝居…?…ククッ…おもしろいこというね…君……』




リュウと名乗ったこの男の人が本当に王子だとしたら…少なくともここは、日本じゃないのよね…




私は、ない頭をフルに使って考えた。



『あ、あの…風の国って…』




『風の国ルーン、君が今ここにいるのがそうだよ』




ま、まじすか…?





私の頬をたらりと冷や汗が流れた。




< 31 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop