とある真夏の物語【完】
『あの…どうかしました?…』
私は、未だに驚いた顔の男の人に声をかける。
『いや、何でもない…そういえば、こちらも名乗っていなかったな…私は、ここ風の国、ルーン国第2王子、リュウ』
…第2王子!?
『…え…第2王子…ですか……あの何かのお芝居か何かですか…?』
『芝居…?…ククッ…おもしろいこというね…君……』
リュウと名乗ったこの男の人が本当に王子だとしたら…少なくともここは、日本じゃないのよね…
私は、ない頭をフルに使って考えた。
『あ、あの…風の国って…』
『風の国ルーン、君が今ここにいるのがそうだよ』
ま、まじすか…?
私の頬をたらりと冷や汗が流れた。