とある真夏の物語【完】
『まぁ…そんなに畏まらないでください…真夏さまは大切なお客様だから丁重に扱うようにと…リュウ様からもお伺いしています』
そう言って、笑うシュカさんの顔が春美さんに似ている気がして…なんだか懐かしく感じた。
『あ、ありがとうございます…』
『さぁ、真夏さまこちらへどうぞ…一先ず汚れた服を洗いましょう?』
クスッと上品な笑みを浮かべ、私を手招きする。
そんな些細な仕草までもが春美さんに似ている。
『は、はい…!』
私は、素直にシュカさんの後に続いてお城の中に足を踏み入れた。