とある真夏の物語【完】
祥ちゃんが消えてしまったのは、今から約5年前の夏休み。
私と祥ちゃんは、当時小学4年生だった。
祥ちゃんは、私のおばちゃんの家の近所に住んでいる男の子で私とは、幼稚園の時からの付き合いだった。
毎年、夏休みしか会えなかったが私と祥ちゃんは、たぶん学校の友達以上に仲が良かったと思う。
『まなつ〜!蝉取り行こうぜ?』
私のことを“まか”ではなく、“まなつ”と呼ぶのも祥ちゃんだけ。
『うんっ!』
祥ちゃんが消えた日…その日も私たちは、いつものように2人で遊んでいた。