とある真夏の物語【完】
*リュウの記憶
*リュウの記憶
着替えが終わった私は、シュカさんの言葉通りにリュウがいる大広間に案内される。
『へぇ〜なかなか、似合うじゃん…真夏』
『…どうも』
私がシュカさんに着替えさせられたのは、どうやらこの国の正装らしい。
カラフルでヒラヒラした布を身にまとった私は、なんだかアラビアのお姫様にでもなったような気分になった。
…絶対…こんなヒラヒラしたの似合ってないよ…
『本当にお似合いですよ』
シュカさんも笑顔でそう言ってくれたが、私には、全くそう思うことができない。
『まぁ…そのことは、さておき……真夏…お前、ニホンという国から来たとか言ってたよな?それって…どこの大陸にあるんだ?』
…どこの大陸って……日本は島国だっつうの!!
なんて言えたらどれだけ楽だろう…。
そもそも、この国の人にそんな話をしてしんじてもらえるのだろうか…?
私は、だんだん不安になっていた。
もしかして、もう帰れないんじゃないかって…。