とある真夏の物語【完】
そう言って、笑った顔に胸が痛む。
『…それに…オレは、もう必要ないんだよ…』
ぽそりと呟いたリュウの声は…すごく寂しそうな…胸をしめつけられるようだった。
リュウ…?
しかし、次の瞬間には、
『ま、とにかく真夏は、好きなだけここにいていいから…オレも最近、退屈してたしさ、話し相手になってよ』
さっきまでとは、打って変わって楽しそうに笑っていた。
『…あ、うん…!』
私は、勢いよく頷く。
…まだ…触れてはいけない
直感的になぜかそう思った。