とある真夏の物語【完】
『ふふ、真夏さまは、リュウ様に気に入られていらっしゃるのですね』
長い廊下を進んでいる途中、急にシュカさんがそんなことを私に話し掛けてきた。
『え…!?』
思わず、その言葉に慌てる私。
『だって…リュウ様があんなに自ら自分のコトを話すなんて…正直、長年お仕えしている私でさえ驚きましたもの』
そ、そうなの…?
ポカンとした表情で私はシュカさんを見つめる。
てか…シュカさん…ちゃっかり、話聞いてたのね…
『それに…』
そこまで言って、黙るシュカさんは、どこか辛そうに顔を歪めていた。