とある真夏の物語【完】
私があまりにもポカンとした表情で男の子を見つめていると…
『ふっ、そんなに見ないでよ…てか、どうしてボクが君のこと知ってるんだろうって思ってるでしょ?』
クスクスと楽しそうに笑いながら…男の子はそう言った。
『ボクは、なんでも知ってるよ?…あっ…自己紹介遅れたね…ボクは、このルーン国、第3王子のユウ。歳は、君より1つ下だよ?真夏ちゃん。』
…第3王子…
私は、唖然とした表情でユウを見る。
でも…さっき…リュウが…この国の王様達には、子どもいないって言ってなかった…?もしかして、ユウも…リュウと同じ…
『そう…ボクもリュウと同じ…養子ってコト』
ふふっと、自嘲的な笑みを浮かべるユウ。