とある真夏の物語【完】
『…道に迷ったね……そんな理由信じてもらえると思ってんの?何が目的…?さっさと言えよ!』
『きゃっ…』
そう言いながらユウは、私の肩を思い切り後ろに押した。
バランスを崩した私の体は、宙を舞う。
やば…そう言えば…後ろ階段…
ふわっと投げ出された私の体。
私は、もうすぐおとずれるだろう痛みにギュッと目をつぶった。
祥ちゃん!!助けて…
そう心の中で念じながら。
ふわっ
その時、
私の体が誰かによって抱き抱えられた。
…だれ…?祥ちゃん…?
『……ちょっと…やりすぎじゃないか…ユウ…』
少し怒気を含んだ声が響いた。
この声って…
『大丈夫か…真夏…?』
『…リュウ』