とある真夏の物語【完】
『はぁ…』
ふと、私の後ろでリュウがため息をもらした。
『あ、リュウ…ありがとう…』
すっかり忘れていたリュウの存在。
私は、あはは、と笑いながらリュウに声をかける。
『…あのさ…オレのコト忘れてなかった?』
ギクッ
『そ、そんなことないよ〜、何言ってんのさ』
私は、リュウの背中をバシバシ叩きながらそう言い放った。
『痛いっつの!…まぁ、いいけどさ、別に』
またもや深いため息をつくリュウに若干、苦笑い気味の私。