とある真夏の物語【完】
*ルーン神の物語
*ルーン神の物語
『しかし、ある日、この荒れ地に1人の神が舞い降りたのです。それが風の神・ルーン。ルーンは、風の力を使い、この荒れ地をどんどん人が住める地へと変えていきました。そのかいあってか、だんだんと人間もこの地に住み着くようになっていったのです…。』
シュカさんは、そこまで言うと、私の目をジッと見つめた。
しかし、直ぐ様目を逸らしたかと思うと顔を伏せてしまう。
その姿は、まるで何かを恐れているようにも見えた。
『…シュカさん…?』
私がそう呟くと、はっとしたように私を見つめ、いつもの上品な笑みを浮かべるシュカさん。
『…えっと……人がだんだん住み着くようになっていった後からですよね…すみません、真夏さま、ちょっと、ぼーっとしてしまって』
あはは、とかわいらしく笑うシュカさんに違和感を覚えた私は、ちらりとシュカさんの隣に座っているリュウを見たが、リュウは、いつの間にかスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。