とある真夏の物語【完】
*緋色の目の少年
*緋色の目の少年
あれ…ここ…どこだっけ?
私は、辺りをキョロキョロ見回す。
ついさっき、シュカさんを振り切ってまで外に出てきたのに、馬車の中で聞いた祥ちゃんらしき声はパタリと聞こえなくなった。
『…私…何のためにここに来たのよ…』
私は、そう呟くとはぁ…と大きなため息をついた。
きっと、今頃、リュウにも心配をかけているだろう。
そう考えるとさらに凹んでくる。
帰ったら…怒られるだろうな…