とある真夏の物語【完】
『…へ…?』
思わず、そんな間の抜けたような声が出た。
だって、私に声をかけたのは、私とあんまり年がかわらないくらいの男の子だったから。
私は、ホッと息をはいた。
『な、何…?』
パッと見は、私より少し上くらいな男の子は、ニコニコしながら私に近づいてくる。
爽やかな感じの黒髪。
目の色は、綺麗な緋色。
スタイルもモデル並み。
…リュウ並みのイケメンだわ…
『…ねぇ…君何でこんなところにいるの?若い女の子が1人で歩くような場所じゃない…』
緋色の目のイケメンは、私にそう問い掛ける。
どうやら、私を心配して声をかけてくれたらしい。