とある真夏の物語【完】


『わかりました、では、まなつさんとお呼び致します』




『は、はい』




き、きまずい




せっかくサカキさんが話かけてくれたのに、会話は、すぐに終わってしまう。





『あ、あのっ…』




意を決して今度は私がサカキさんに話かけてみた。




『何でございましょう?』




『あ、えっと…ちょっと聞きたいんですけど…カイって一体…何者なんですか…?』




その瞬間、サカキさんの目が大きく開かれたことを私は見逃さなかった。




…え?質問まずかったかな?




あわあわとする私をじっと見つめ、サカキさんは、ゆっくり口を開けた。





< 94 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop