とある真夏の物語【完】
『わかりました、では、まなつさんとお呼び致します』
『は、はい』
き、きまずい
せっかくサカキさんが話かけてくれたのに、会話は、すぐに終わってしまう。
『あ、あのっ…』
意を決して今度は私がサカキさんに話かけてみた。
『何でございましょう?』
『あ、えっと…ちょっと聞きたいんですけど…カイって一体…何者なんですか…?』
その瞬間、サカキさんの目が大きく開かれたことを私は見逃さなかった。
…え?質問まずかったかな?
あわあわとする私をじっと見つめ、サカキさんは、ゆっくり口を開けた。