とある真夏の物語【完】
カイの姿は、まるでおとぎ話に出てくる王子様みたいだった。
…カイは、私をじっと見つめたまま、近づいてくる。
ドキドキ…
心臓が高鳴るのを感じた。
『…まなつ、言うのが遅くなって悪かった。オレは……風の国、ルーンの隣国にある……火の国、ユリウスの第1王子だ、今日は、隣国のルーン国と親睦を深めるためのパーティーに呼ばれてきたんだ…』
『お、王子…』
私は、その言葉にポカンとした表情を見せる。