Run AwayⅠ・Ⅱ Truth
なんていうんだろうな…、こういうの、この、回りに無数の罠がある感じ。

俺は低い声で、ミリアに語りかけた。

「ミリア、故郷とかは絶対に先回りされてたりするもんなんだぞ。自分から罠に進んでいるようなもんさ。」

右ポケットから地図を出し、広げ、俺は続ける。

「ほら、ここなんかどうかな。森の奥にある地下洞窟。こんなとこなんか、探す勇気もわかなくなってこねぇか?」

「うん。大変そうだけど、言ってみる価値はありそうだね。」

ミリアは満足そうに手に握っていた方位磁石を眺めて、こう言った。

「こっちだね、行こう!」

そう言って、南のほうに走っていった。


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