ダイスキ。




男の顔が見たくて、カーテンを開けようとした瞬間――――


チュッ



志織とたーくんという男がキスしているのをカーテンが影で写しだした。

あ………見ちゃった。


ごめんね、志織。

あたしはなんだか申し訳ない気持ちと、どうしてうそをついていたのかという冷たい気持ちでいっぱいになった。

なんだかこらえきれない気分になって、保健室を出ようとしたあたしを志織の言葉が引きとめる。


「でもさー、いくらあたしの株をあげるためとはいえ、あんなブスでキモい勘違い女をかばうのも、そろそろ疲れちゃったなー。もうじき女子が私のことも、いじめちゃいそうだし…。てことで、バイバイだね、優美とは。」

「あー。早くそうしてくれよ。じゃないと俺、志織が心配で気が気じゃないぜ?」


「やだー!たーくんたらっ!」

2人はそういってもう一度キスをした。



…………―――嘘。………志……織?
あたしは―――悪い夢でも見てるの?
―――――そうよね?





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