Deep sea Girl


「うちの名前は朝岡莉菜ちゅーねん!よろしゅう」

「朝岡莉菜ちゃん?よろしく」

「えらい別嬪さんが来たなぁ!せや、良かったら友達にならへん?」

「いいよ」

「よかったぁ!うちんことは莉菜って呼んでくれて構へんから」

「うん、私も奈緒でいいよ」

「おーきに」

そういい人懐っこい笑みを浮かべた莉菜を見て、少しだけ、胸がチクリとした。茉莉奈には何も話さずにこっちに来たから。本当に莉菜は茉莉奈にそっくりだ。人懐っこい性格も東京でも構わず関西弁を使うところも。仕草さえ、茉莉奈にそっくりだった。

今、あちらの世界はどうなってるんだろう?母さんとは喧嘩したまま出てきてしまったから。

でも、大丈夫、あと1ヶ月すれば全部、全部元通りになるんだから。


前に私に戻れるんだから。


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