SD殺人事件
毒物検知器
「オアシス運動を推進しよう!」
最近ミーティングがある方が珍しくなってきている。
その日の仕事に対しての連絡事項を伝えたりするミーティング。
日常を仕事に切り替えるための儀式でもあるのに、ある事の方が珍しいってどういう事やねん…。
なめてんのか?仕事をぉぉぉ??
だが、今日は珍しくそのミーティングがあった。
今はミーティングと仕事の間の一服タイム。
「出た!ミルクティー!」
太ちゃんが自販機の前に立つ信くん(山本班長)を見て笑いながら言った。
「そんないつもいつもミルクティーちゃうわぁ!」自販機の紅茶花伝のボタンに照準を合わせた指を離し、嬉しそうに後ろを振り向き言い返す信くん。
高くんがそれを横目で見ながらニヤニヤと、
「あんなん言ってますけど、アイツ何買いよるんですか?」
って聞いてきたので即答で、
「ミルクティーやろ!」って返した。
その俺のテーブルを挟んで向かい側に座った太ちゃんが、
「じゃあ、何買うの?なあ!なあ?」と言った感じで信くんに言うと、
「何でもええやんけ!」
と、嬉しそうに信くんがキレてた。
その光景を見て、地ー坊が口パクで、「アホや。」と言うと、
携帯をピコピコしながら金谷がせわしなく何回も頷き、「いつもの事や。」と小声で言った。
ガチャン。
自販機からミルクティーを取り出した信くんが椅子に手をかけると、
「結局ミルクティー買っとるさかい。」信くんの方を指さしながら、生駒さんがボソっと言った。
「うるさい!」と、またしても嬉しそうに信くんがキレながら椅子に腰を下ろした。
「班長、仕事は?」
と地ー坊が信くんの方を見ずに「何サボってんねん」と言いたそうな感じで言い、
「サボってんねんなー?あ、ビップ吸い。」と太ちゃんが信くんの半分ぐらいで火を消すタバコの吸い方を冷やかした。
そんないつもと何も変わりない風景が繰り広げられていた。