SD殺人事件
高くんに手に毒がつく事を指摘されてタバコを放り投げながら、
「ほんまやヤッバ!ん?あっ!!」
太ちゃんが言った。
彼も何かを閃いたみたいで二人で目を見合わせた。
そして二人同時に視線を自販機に移すと、すでに高くんが立っていた。
自販機のミルクティーの購入ボタンに毒物検知機を押し付けると、

ピーピー。
「そう言う事か!」
太ちゃんが満足気に言った。
「そらカメラで見ても誰も磯俣のタバコに触ってないわなぁ。やるやんアイツ。てか、自分すごいなぁ。いつから気付いてたん?」
感心しながら高くんに言うと、
「何がですか?二人とも納得してますけど、なんかわかったんですか?」
不思議そうな顔で言う高くん。

「お前ほんまに言うてる?」
太ちゃんが少し引き気味で言うと、
「だから、どうやってタバコに毒ぬったんですかぁー!」
興奮気味に俺の肩を力いっぱい揺らしながら高くんが言った。

少なくとも嘘はついてない気がした。

「なんなんこの人。」
思わず呆れて言うと、太ちゃんが大きく首を傾げた。
「トリックを使った事件なんかよりコイツって人間が一番わからんわ。」
ため息をつきながら太ちゃんが言った。
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