SD殺人事件
おい、待てよ。

高くんが、ジラしジラし言いたい俺の空気も読まずに横からシャシャり出てきた。
「100円玉?」
「手につける?」
生駒&地ー坊が首をひねってる真横で、
「あ、あの時か。ジュースの時ー?まぁー!!」
だーからー、いらん事言うなって!
どうやら謎が解けはったみたいで、両手と首を縦に小刻に振って金谷が言った。
「そうやで。
磯俣のタバコに毒が塗ってあったってのはただの思い込みやねん。
ほんまは仕事が終わった後で信くんが磯俣にジュースをおごってやった時の小銭に毒が塗ってあったねん。
自販機に小銭入れる時もタバコ吸う時もたいがい利腕の親指とひとさし指を使うやろ?」

お~い!太ちゃんまで…。

太ちゃんが自慢気に言った。
お、おいしい役まわってきたぁぁぁ!
って思ったのに、高って言う人のせいで台無しになってしまったぁ…。
トリックの真相を突かれ少し放心状態の信くんと同様に俺も軽く放心状態に陥って口を半開きで立ち尽くした。
「すごいやん!よくわかったなぁ!」
地ー坊が俺らの方に向かって興奮気味に言い、
「俺のおかげやで。」
高くんが誇らしげに言うと、
「お前何もわかってなかったやんけ!」
と、太ちゃんが突っ込んだ。
「まあまあ。事件は解決やさかい。」
生駒さんが嬉しそうに言うと、
「金谷もー!金谷も事件の真相当てたでー!なあー!聞いてー!」
人さし指を中途半端に上下に揺らしながら金谷が言った。
「さて、帰ろ。」
「待ちーな!先に警察に連絡せなあかんやろ?」
高くんが言ったのを地ー坊が止めたと同時に信くんが口を開いた。
「今みんなが言うてたんはあくまでも推測やろ?俺がやったって言う証拠あんの?」

その言葉を聞いて半開きだった口が閉じた。
そして頭の中で、まだ終わってないよーって言葉が聞こえ、ある決意が俺の中で固められた。

今度こそ、こぉーんどこそ、このおいしいシチュエーションをゲットしてやる!!
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