SD殺人事件
一人目の犠牲者
「お疲れ様でした!」

ミーティングが終わり、みんなが椅子に座り雑談をはじめた。
「これ、まだあるさかい。」毒物検知機を指さし生駒さんが言うと、
「まあー!」両手を中途半端に上げてわざとらしいほど驚いた顔で金谷が言った。
いつものリアクションをされたんだが一体何をそんなに驚く必要があったんやろ…?

「で、これ本物なんかな?」
太ちゃんが言った隣で、
「磯俣、ジュース買ってー。お前の分もおごったるし。」
そう言って信くんが200円を磯俣に手渡した。
休憩所内の自販機は1本100円なのだ。

「ありがとうございます!」
そう言って磯俣はお金を受取り自販機の元へダッシュした。
「班長、何が良いですか?」
磯俣が言うと、
「そんなもん決まってるやん。」
高くんがボソっと言い磯俣が首を傾げると、
「ミルクティーや!覚えとき!」
地ー坊が吠えた。
「覚えとき!って、地ーちゃん。信くんがめっちゃ偉い人みたいやん。」
太ちゃんが言うと、
「俺、一応役職やで。」
と、信くんが自分の偉さをアピールした。
が、「はいはい。班長、あたしも買って。」
っと地ー坊が流した。
「自分とこの嫁、失礼やな。」
高くんに思わず耳打ちすると、バンってテーブルを叩きながら半笑いで、
「隅ちゃん!な、ん、て?」
と、地ー坊が身を乗り出して言ったので、
「すんません、何でもありません。」
と、反射的に下を向いてそう言った。
そのやり取りを見てみんなが笑い、
「地ーちゃんが一番偉いって事やさかい。」
と生駒さんが言うと、またみんなが笑った。

ガチャン。
ガチャン。

磯俣が椅子に座り、信くんにミルクティーを手渡しタバコをくわえた。
その間もみんなは各々の話を進めていた。
だから気付かなかった。
磯俣の異変に…。
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