[SS]私達親子以上
楽しい時間なんてあっという間だった。
誰かが言ってた。
「良い人は早く亡くなる」
って。
それが現実になったのは結婚して1ヶ月が経った時だった。
その日は会社が定時で上がれ最近始めた料理教室に居た時だった。
「ピリピリピリピリピッもしもし?」
恵さん?
料理教室だって言っといたんだけど?
「私、○○大付属病院の坂上と言いますが」
「?病院?」
「先程――――――」
えっ?
そっからの記憶が曖昧だった。
″バンッ!!″
「ハァハァハァハァ……恵さんは?」
先に居たのは馨君だった。
「恵さんは?」
馨君の隣のベットには白い布がかけられた……誰?
「俺が来た時にはまだ息あったんだ…」
誰が?
「最後まで茉の事心配してた」
だから誰が?
「…馨…君…恵さん…ドコ?」
私の方に歩いてきて抱き締められた。
「ぃ…ゃ…違う……冗談で…」
更にキツく抱き締められた。