[SS]私達親子以上


堪えてた涙が一気に出てきた。


「恵…さん」



何度呼んだって帰って来ない。



「恵さん…」



机の中からいろんな物が出てきた。



「私の名刺…」



キャバクラ時代の源氏名刺


映画の半券



誕生日にあげたネクタイピンとカフス



想い出が有りすぎて泣き止めないよ…。



机の一番上の段を開けた。


領収書に宅配票が入ってた。



「いちじゅうひゃくせんまんじゅう…はち万?週末に?」



恵さん…何買ったの?



週末は私の誕生日。



「サプライズだったのかな?お店の名前は……ニャンコ〜ロワント・・・」



???ニャン??



意味がわからないが金額の大きさや意味不明な店名に涙は止まっていた。



「ぐ〜…」



こんな時でもお腹は減る。


「帰ろう」



馨がご飯の支度して待ってるんだよね。



外は暗くて雨がパラパラと降ってきていた。



「傘無い…」



家までそんな離れてないから走れば大丈夫なんて思ってたのが甘かった。






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