[SS]私達親子以上
「あらっ高城さんコンニチハ!」
「看護士さんコンニチハ」
「光ちゃんの3ヶ月検診だっけ?」
「はいっ!」
「じゃぁ光ちゃんは預かって診察しときますから、茉さんの所に行ってあげて」
「良いんですか?」
「うん!今日は天気がいいからね。皆には内緒よ!」
「じゃぁ、お言葉に甘えてお願いします」
察しの通り赤ちゃんが産まれてから3ヶ月がたった。
名前は俺が“光”と命名した。
由来はその名の通り“光”になって貰いたいから。
今、目の前で眠っている茉の光に…。
「茉?今日は天気がいいからね外に行こうか?」
車椅子に茉を座らせて外に出た。
「今日、光が3ヶ月検診でね、やっと体重が通常になったんだよ。誰似だと思う?女の子だから父親似って言うけど、皆は茉に似てるって。光がママの事ずっと待ってるよ。俺も…やっぱり一途みたいでさ~良い女みても何も思わなくてさ」
その時、微かに茉の手が動いたが馨は気付かない。
「マジで俺枯れる。26歳にして男じゃなくなるのはイヤだよ…起きてよ茉……好きだよ」
久しぶりのキス
微かに茉の唇が動いた。
「茉…?」
気のせいか…。
「もうすぐそこまで夏が来てるよ…光連れて海行こう。スイカ食べて、かき氷食べて、アイス食べて~腹こわして茉に怒られて…笑いの絶えない暖かい家族になりたいな…」
茉から一筋の涙が流れた。
「茉…?茉!」
目を開けた。
「馨…私を貰って下さい」
END