Material Boy
野乃はサラリ-マンの4人姉妹の末っ子。
しかし、野乃が生まれた頃には、
姉3人は、とっくに成人してそれぞれ家庭を持っていた。
野乃は両親が40半ばに生まれた子で、溺愛して育てられた。
成人するとき、父母は、定年退職しており、
まるで孫に年寄りがするように、何でも好きなモノを買い与えてくれた。
しかし、可愛がるあまり、海外はもとより、飛行機にすら載せて貰えない始末。
修学旅行で唯一沖縄に言った時乗った飛行機が、唯一のフライト経験だ。
その反動からか、野乃は、異常までにに世界にあこがれを強く抱き、
海外お勤務があるであろうこの会社を志望したのだ。
この仕事に就いた時、まず最初にしたことがパスポ-トの取得だった。
いつ、出張を言い渡されるか分からないので、
10年のパスポ-トを取得した。
海外営業部に所属していたにもかかわらず
使うことなく2年が流れている。