Material Boy
搬入と陳列がひと段落したのが13時、

休憩とらないうちに

ミニコミ誌の取材が入った。

室長と、仲野さんがインタビュ-を受け、

野乃が説明を担当し、遥がカメラマンを案内した。

とはいえ、発行は来週宣伝効果はあまり期待できない。

話題づくりにはなるので、次回違うところでやるときに

多少はメリットがあるかもしれない。


入れ替わるようにTV局がやってきて一通り撮ったあと、

美人なレポ-タ-があちこち説明を受けながら体験していった。

レポ-タ-がやたら遥火のことを気に入ったらしく、

イベントと関係のない事までインタビューしていた。


撮影が終わったあともずっと絡んでいて、

遥火は嬉しそうに対応していて、

なんとなく野乃は気分が悪かった。


撮影隊が引き上げたのは18時を回っていた。

ADの人が「朝の情報番組で紹介します。」

そう言ってタイムスケジュ-ルと、名刺を置いていった。

遥火にはレポ-ーターがメモ付きの名刺が渡されているのを

ちらっと見えてしまった。


遥火と目があったとき野乃は思わず目をそらしてしまった。

別に、やきもちとかじゃないんだから。

一人でこころのなかで言い訳していた。


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