Material Boy
企画が決まってから先、

色々なことがあって、

野乃の中で変化が起こっていた。


大切な何かが指先からこぼれていく感覚。


自分だけだったものが、

他の人のものへと変わっていく。

これは遥火への思いに似ているのかもしれない。

認められて嬉しそうにしている遥火。

野乃の為に奔走してくれた遥火。

不貞腐れながら、NYへ行った遥火。

オブジェを組み立てていた遥火。


有名になんかならないで。

私のそばにいて欲しい。


企画と彼を重ねてみている、、

これが成功したら、遥火は手を離れていってしまう。

そんな予感がしている。



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