Material Boy
部屋に戻っても、誰もいない隣。

朝、いつもなら当然のようにやってきて、朝食をとり、

野乃の髪を作り、メイクをする。

不思議な日常が当然のようにしてあった。

遥火の図々しくも、優しさのある接し方に、

野乃は、すっかり浸かりきっていたのだと自覚した。


今ならまだ、失っても耐えられるのかもしれない、、、

こんなにも、自分の中心を占めてしまう彼を、

手放すことが怖くてたまらない。

これ以上深くなる前に、、、




野乃の頭の中は別れるシチュエ-ション

ばかり想像しては

切なさで、押しつぶされそうだった。


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