Material Boy
「はい、もしかしたら、

 行き過ぎた所もあったかもしれません。


 しかし、彼女自身もこの職場には不服なこともあるようですし、

 元の部署への移動を希望してますので、

 私としては、彼女がこちらで仕事に入る前に、

 移動すべきと考え、上司としてその旨を伝えました。」


よくもまあ、それっぽいことを大げさに言えるものだわ、

自分のしたたかな部分に呆れる。


野乃は、元々こういう処理能力に長けていた。


小さい頃から優等生として、

大人の納得する言葉を用意しているような子だった。

こんなスキルもないよりあったほうがマシね。



「それが本当なら、しょうがない話だね。


 確か希望で移動したと思ったんだがね。


 牧口くん、それで、海外営業部がいいのかね?」


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