Material Boy
カタカタとした物音に遥は目を覚ました。


「あ、ごめん、起こしちゃった?」


野乃がキッチンに立って鍋の続きを作っていた。


「お鍋作ってくれてたんだね。

 入ってるもの笑っちゃったんけど。

 さつまいもとか、さんまとか大根とか、

 あんまり入れないと思うよ。」


「なんでも煮えればいいだろ。」


「意外性の組み合わせ、吉と出るか、凶と出るか?

 まあ、食べられそうよ。」


くすくすと野乃は笑いながら鍋をテ-ブルへ運んだ。

さつまいもが煮溶けて、大根が固くて、

ちょっと、いやだいぶ生臭い、そんな鍋だった。

しょうがをいれたポン酢で食べたら割と美味しかった。」
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