Material Boy
食器を洗っている野乃に遥火は頭をくしゃりと撫ぜてから尋ねた。

「なんかあった?」


「う…なんかサイテーな気分。

 部下を一人クビにしちゃった。」


「はあ?」

「感情的になった、

 その上、権威を振りかざした。」

はああぁぁ

野乃は大きくため息をついた

まさかやめるとは思わなかった。


室長は気にしなくていいと言ったけど、

遥火を否定されて

知ったかぶりした言い方で、

彼女が遥火のそばにいるのが許せなかった。

出て行けって思った。

上司としては失格だ。

「ふ~ん。」



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