Material Boy
遥火が玄関から飛び出しそうになるあたしをを引っ張った。

「どこ行くつもり?

 どこって牧口さんに会いに」

「どこにいるか知ってんの?」

「会社に行けば、名簿があるから…」

「探してあってどうするの?

 あなたは先が短いから、

 心を改めて一緒に仕事しようとでも言うの?」

「そんなこと言わないよ。第一、信じないでしょそんなこと。」

「なら?」

「謝りたい。もう一度考えてもらう。それでダメなら仕方ない。」

「ん、そか、分かった。ならこれやる。」

遥火は、ポケットから名刺を出して渡した。

「これ、」

「向こうで結構世話になったから、一応連絡先もらっといた。

 浮気とかそういうするつもりなんじゃないから…」

「遥火…

 でかしたよ!ありがと。行ってくる!」


そう言って野乃は飛び出していった。


「ちぇ、少しは妬いたっていいじゃんか…」

遥火は一人呟いた。

「なあ?そう思うだろ?」

正確には一人に近い状態。







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