Material Boy
「ではこの企画書で上の会議にかけたいと思います。

 十分話し合っていい企画になったと思うのですが、

 どうでしょう?」

美術館型カフェについてのい企画がいよいよ、

本格的に始動しようとしていた。

「企画案を考えたものが意見してどうかと思うのですが、

 少し発言よろしいですか?」

「はい、どうぞ、鮎川さん。」

「この企画、無理があるのではないかと思います。」

「は?それはどうして、」

「室長と山根さんと、パティスリーに行き、

 室長も、こんなカフェを作りたいという、

 具体案を示してくださいました。

 その時疑問に思ったんです。

 確かにインパクトのある建物でした。

 一度は行ってみたい、そう思わせるものでしたが、

 リピートして来てもらえるかということを考えると、

 やはり立地が郊外というのは、

 かなり冒険かと。

 国や自治体が作る、利益度外視のものと違い、

 会社の利益を考えると、この案ではダメな気がします。」

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