Material Boy
多分あまり寝てなかったんだと思う。

戻ってこなかった間、仮眠ぐらいは取れたのだろうか、

遥火は、野乃の笑顔確認した後、スッと眠りに入っていった。

遥火は遥火なりに悩んで、話そうとしても、

話せないでいたのかもしれないと思った。


「ついて来いって言えなかったんだろうな。」


無防備な顔して眠りこける遥火。


「大丈夫だよ。

 私は、思ったより強いみたい。

 あなたの愛してるの言葉一つで、

 充分に幸せになれたみたい。

 私は、あなたに出会って、初めて息をしたの

 私の鎧を外して、外へ連れ出してくれたよね。

 待ってるなんて言わないよ。

 あたしはここで生きるよ。

 あなたは、あなたの場所で生きて。 

 いつかまた、交差する時が来るかもって期待ぐらいはさせてもらう。

 あわよくばよ!」


野乃は聞こえていないだろうと思いつつ。

自分の告白まがいのセりフに赤面した。


そしてキスをひとつ落とす。

      愛しい男に想いを込めて。-------

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