Material Boy
「ほんと、あの二人安定してますよね?

 羨ましいな。」


「まったくもう直ぐ離れ離れになるカップルとは思えないわな。」


浜と山根が、二人の後ろ姿を見送っている。


「時に、浜さん、いつになったら俺と付き合うの?」


「さあ?」


「考えときますって言ったままもう半年経つんだけど?」


「安藤は鮎川さん狙いなんだから諦めなよ。」


「安藤さんはもう関係ないですよ?」


クスクス笑いながら、


「DTLのチケットとってくれた人と付き合おうかと思ってます。」


「マジでランド?シー?どっちがいい?」


「一緒ならどっちでも。」


「もう、すぐ予約する!やっほぉ!」


「お前ら声でかいって、牧口主任に睨まれるぞ。」


安藤が苦笑する。


「あら、もう、定時過ぎたんだからそんな野暮なこと言わないわよ。

 安藤君逃した魚はでかいんじゃない?」


牧口が伸びをしながら安藤にキツイ一言を浴びせる。


「いいんです、俺は鮎川さん一筋ですから。

 明後日にはライバルもいなくなるしね。」


「諦めの悪い人ねえ?」


「一途なんですって。」




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