Material Boy
「君の企画で行こうと思う。

　これでようやくここも企画室と名前が変更できるな。

　それに伴って君を主任に格上げだ。」


「主任ですか？」


「追って辞令も降りるが、ここは、社長室直属の部署で、企画室となる。

　いちごはそのまま室長だが、

　君も主任という責任の上で、企画を進行してもらいたい。」


「はい、頑張ります、、、」


嬉しいはずなんだけど、野乃は遥火に言われたことが気になっていた。

果たして、あたしは企画室にいる価値なんかあるのかと不安になる。


「おや？嬉しくは無いのかね？」


「判りません。どうして私なんでしょう？」


「私の目が信じられないのかね？」

「いえ、そういうことじゃなくて、面白みのない私の企画じゃあ、

　成功できないかもしれないと思うからです。」


「面白ければ成功できるとは限らない。そうは思わないかい？

　学生のいちごの発想を形にできるのは、君の堅実で思慮深さと、

　営業部で培った経験が必要だと私は君を指名したつもりだよ。」


野乃が欲しかった答えを社長派さらりと答え、


「よろしく頼むよ。」


言葉を残して退出していった。

　

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