Material Boy
社屋ビルから近くに位置する商店街。

駅からやや離れているために、寂れてしまっている。

飲食店は営業しているが、昔ながらの金物屋さんとか、

洋服店、おもちゃやなど

看板は残っているが空き店舗になってシャッタ-を下ろしたままの店舗が

点々と混在し、寂しさを漂わせている。

組合長の仲野新さんは、ナカノという店名のお肉屋さんの店主。

安くておいしいコロッケが人気で、閑散とした商店街の中、

行列のできる有名店だ。

まだ父親の代から引き継いだばかりの20代の彼は、

この商店街を活気のあるものにしたいと、

組合長を買って出たらしい。

今回の企画にかなり乗り気で、とても協力的なのだ。

「ここが、会場になる訳か。」

遥火はふ-んとあちこち見まわした後、

カメラであちこと撮りまわっていた。

ラフな格好で、背中にスケッチブックをしょってカメラで撮りまくる様子は、

なにかのオタクかカメラ小僧見たいに見えて、

苦笑してしまう。
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