Material Boy

「滝沢さん。」

目の前を走る遥火の背中に呼びかける。

「あ？」

振り向かず答える遥火に。

「滝沢遥火。」

もう一度呼びかける。

「何？」

めんどくさそうに、眉を下げて振り向く遥火に


「世界。変わったみたいです。」


「何言ってんの？走って！間に合わない。」


「　Chenge your thoughts and

　　　　　you　change your world.

　は本当でした。　　

　私の世界は変わったみたいです。」

　

「そうかぁ？じゃあさ俺のおかげだな！、あとでお礼頂戴。」

そう耳元で遥火は囁くと両手でぐいっと野乃が持っていた荷物を掴んで

走り去った。

「もぉっ反則～。」

真っ赤になりながら慌てて追いかけた。