☆†赤い瞳にご用心†☆
楽しいはず…
そんな話もしつつ、やっと開園時間になった。
「さぁ、いこー!!」
璃鶴のその言葉に私達は歩き出した。
で、入ってすぐのところで早速女の子たちがお兄ちゃん達に群がり出した。
「モデルの太希様じゃない?!」
「となりの、イケメンは?! 兄弟かな?」
「その横の女の子も可愛い!」
ちなみに、その横の女の子は私ではなく璃鶴のこと。
「その横の子浮いてない?」
「なんで、一緒にいるんだろ?」
コソコソ話してるつもりかもしれないけど、聞こえてるんだから。
全部、全部……
そんなに、比べなくてもいいじゃないっ。
そんな風に言われなくたって浮いてるの、分かるしっ!!
泣きそうになる。
「あの子がいいなら、私も一緒に回らせてもらえるかなっ?」
「そうだねっ! 頼んでみよっ」
外野から見れば、私は他人に見えるんだ…
少しくらい、お兄ちゃん達に似てると思ってたのに……
「もう、いい……」
私はボソッとそういった。
「凛々ちゃん、どうかしたの?」
その声に気づいた璃鶴が私の方を向く。
「もう、勝手にすればいいよっ!!」
私は走り出した。
たくさんの人の間を、抜けて行く。
あんなの、逆ギレだ。
お兄ちゃん達…私のこと呼んでる…。
でも、もういい…
だって、また知らない人に酷いこと言われる。
もう、聞きたくないもん……
「やっぱり、来なければ良かった…」
「凛々…?」
カルが心配そうにこっちをみてた。
「カル…鞄の中に戻ってなよ、面白いところがあったら教えてあげるから」
私は笑う。
笑ったつもり。