☆†赤い瞳にご用心†☆
第一話
出会ったあの子
ざわめく教室。
入学式を終えた私は、これから一年間お世話になる1-Aの教室にてたくさんの生徒に話しかけられていた。
「ねぇねぇ、あの人気モデルの太希(たけ)様の妹って本当っ?!」
「両親がおっきな会社の社長さんなんでしょっ!」
「聖蘭高校一のイケメン、唯繰(いく)様の妹何だよねっ?!」
『いいなぁぁぁぁーーーーっ!!!!』
さっきからこんなことばぁーっかり。
もう、あきちゃったよぉ?!
たしかに、たしかに…お兄ちゃんはイケメンですよ。
二人とも……
お母さんもお父さんもおっきな会社の社長ですよ。
それに、美人でかっこいいし……
どうせ、私なんて何にも目立つとこないですよぉーっだ!!
なんとか、ポジティブに考えてみようと試みて見たものの……
まぁ、あれこれ10分以上、こうして私以外の家族が皆褒めちぎられてる(?)のを聞いていると、だんだんとネガティブ思考になってしまう。
「あ、うん。あはは…はは」
適当に相槌をうって、お隣の席に座る、これまた人が群がっている女子生徒の方に目をやる。
あの子…たしか、何かの雑誌で見たんだよねぇ。
その程度の認識しかなかったわけだけど、人が群がってって事はかなりの人気者ってことだよね?
たぶん……
その時、隣の彼女と目が合った。